星咲の脳内が垣間見れます。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
何もない空間に、ひとつ、扉がある。
古びた木製の扉は無防備に開いていて、扉の枠に切り取られた世界がぽっかり浮かんでいた。
ピンク色の空。
地平線に向かって黄色、水色とグラデーションがかかっている。
空にはところどころ真っ白な雲が浮かんでいて、その上に屋根が並んでいるのが見えた。時計塔もひょっこり伸びていた。
遥か彼方にはオレンジ色の煙突が幾本か並んでいて、もくもくと、ぷかりぷかりと、ふわふわと煙を出していた。
山並みは滑らかな曲線を描き、時折ふにゃりふにゃりと柔らかく変形する。
自転車に乗った麦わら帽子のおじさんが、空を飛びながら帽子を取って挨拶してくる。
羽根の生えた豚がそれにぶつかりそうになって、くるくると飛んでいった。
世界は不思議な音で満ちていた。遠い外国の田舎の港から聞こえてきた出航の汽笛のような、聞こえそうで聞こえない音。
高いような低いような音が耳を通じて頭に流れ込んでくる。
山がうねった。
煙突が大きく膨らんだ。
空を渡る列車が駅から出発した。
温かな沼に沈んでいく気がした。
きづけばぼくはぷかりとそらをとんでいた。
きみはそのさきでわらってくれていた。
おかえり
ただいま
さようなら
PR
●●● COMMENT ROOM ●●●
ブログ内検索
最新記事
(02/23)
(08/25)
(08/19)
(07/25)
(07/22)
(07/04)
(07/02)
(06/12)
(06/08)
(05/22)
最古記事
(09/16)
(09/16)
(09/16)
(09/16)
(10/23)
(01/18)
(03/10)
(03/16)
(04/09)
(04/19)
最新CM
最新TB
カウンター